直近1年で急上昇した年利上位ファンドを積み立てていたら?S&P500と比較

直近1年で急上昇した年利上位ファンド(イノベーション・インデックス・AI、eMAXIS Slim国内株式〈日経平均〉)を長期積立した場合の資産推移をS&P500と比較したシミュレーションを表したアイキャッチ画像 NISA

「今、一番成績が良い投資信託を積み立てて
 いれば、大きく資産が増えるのでは?」

新NISAが始まってから、
AI関連ファンドや日経平均ファンドの
好成績が話題になることが増えました

特に直近1年間では、
AI関連ファンドが年利第1位のリターンを記録し、
日経平均ファンドも3位にランクインしていました

出典:MINKABU 投信
つみたてNISA利回りランキング – みんかぶ投資信託
※2026年8月某日調査時点

では、もしそのような
直近1年で急上昇した年利上位ファンドを、
8年前から毎月積み立てていたらどうなったのか

今回は、AIファンド、日経平均とS&P500を
比較しながらシミュレーションしました

この記事では次のことが分かります

✓ 直近1年で急上昇した年利上位ファンドを
 長期積立した結果
✓ AIファンドが大きく増えた理由
✓ 日経平均とS&P500の長期成績の差
✓ 多くの人にとってS&P500の積立投資が
  有力な理由

私は2018年から旧つみたてNISAで積立投資を続け、
現在は新NISAでも毎月10万円を積み立てています

実際に長期積立を続けている立場から、
再現性の高い投資法という視点で解説します

※本記事のシミュレーションは
過去データを用いて計算した結果であり、
将来の運用成果を保証するものではありません

※投資は自己責任と余剰資金でやりましょう

比較した3つの投資信託

今回比較するのは、
新NISA「積立投資枠」の直近1年間で
高い年利を記録したファンド※と
積立投資の代表格であるS&P500です
※2026年8月某日調査時点

投資信託特徴
イノベーション・
インデックス・AI
AI・半導体・テクノロジー
関連中心
eMAXIS Slim 国内株式
(日経平均)
日本の代表225銘柄に投資
eMAXIS Slim 米国株式
(S&P500)
米国大型株500社に投資
直近1年で急上昇した年利上位ファンドを比較した図解で、AIファンド(1位)、日経平均(3位)、S&P500の特徴と、10年前から現在までの長期積立イメージをまとめた比較イラスト

AIファンドは年利第1位のリターンを記録し、
日経平均ファンドも3位にランクインしていました

出典:MINKABU 投信
つみたてNISA利回りランキング – みんかぶ投資信託
※2026年8月某日調査時点

一方で、S&P500は直近1年間の
利回りランキング上位ではないものの、
長期積立では常に有力候補として挙げられる
人気インデックスファンドの代表格です

S&P500については、オルカンや先進国株式と
比較シミュレーションした記事も公開しています
関連記事:オルカンとS&P500どっち?2018年から積み立て中の先進国株式と比較

シミュレーション条件

今回のシミュレーション条件は次のとおりです

  • 毎月10万円積立
  • 積立期間:約8年間
  • 新NISA積立投資枠を想定
  • 分配金は再投資

重要なのは、
「最後の1年間で急上昇したファンドを、
 最初から持ち続けていたらどうなったか」
という仮説であることです

つまり、
8年前にはまだ目立たなかったファンドを、
将来伸びると信じて積み立て続けたケースを
想定しています

今回のシミュレーションの計算方法

今回の比較は、
2018年10月から2026年8月までの約8年間
を対象に、各投資信託へ毎月10万円定額を
積み立てたと仮定して計算しました

毎月の基準価額データをもとに、
毎月10万円で購入できる口数(数量)を積み上げ、
最終時点(2026年8月)の基準価額を掛けて
最終評価額を算出しています

計算式はシンプルで、

各時点の評価額 = 各時点までの購入数量の累計
         × 各時点の基準価額
最終評価額 = 最終時点までの購入数量の累計
       × 最終時点の基準価額

という計算です

なお、このシミュレーションでは、
信託報酬、売買手数料、税金などのコストは
考慮していません

実際の運用では、信託報酬などにより
評価額はわずかに変動しますが、
3銘柄を同じ条件で比較するため、
今回はコストを含めずに計算しています

積立シミュレーション結果

シミュレーションすると、
AIファンドが最も高い評価額になりました

2018年8月から2026年8月までの8年間に毎月積立投資を行った場合の評価額推移を比較したグラフで、AIファンド(青)が最後の1年で急上昇し、S&P500(オレンジ)と日経平均(緑)は安定して右肩上がりに推移していることを示した図
投資信託最終評価額
AIファンド(青)約3,420万円
S&P500(オレンジ)約2,344万円
日経平均(緑)約2,237万円

この結果だけを見ると、
「AIファンドを買っておけばよかった」
と思うかもしれません

しかし、本当に重要なのはここからです

AIファンドは最後の1年で大きく伸びました

AIファンドは、8年間ずっと
圧倒的だったわけではありません

むしろ長い期間、S&P500や日経平均と
大きく変わらない時期が続いていました

資産が大きく増えた最大の理由は、
特に 最後の1年間で基準価額が急激に上昇したこと です

2018年8月から2026年8月までの8年間に毎月積立投資を行った場合の基準価額の推移を比較したグラフで、AIファンド(青)が最後の1年で急上昇し、S&P500(オレンジ)は安定して右肩上がりに推移し、日経平均(緑)は長期間上昇が緩やかだった後に終盤に大きく上昇したことを示した図

これはドルコスト平均法の特徴でもあります

長期間積み立てて保有口数を増やしておくと、
後半の大きな上昇が資産全体を押し上げます

つまり、「積立だから大きく増えない」のではなく、
「大きく成長する資産を長く持てれば
 積立でも大きく増える」ということです

でも、そのファンドを8年前に選べた人はほとんどいません

ここが今回の記事で最も伝えたいポイントです

AIファンドが大きく増えたのは事実ですが、
8年前にそのファンドがここまで伸びると
予想できた人は恐らくごく僅かということです

投資では、過去の勝者を見て
「簡単そう」と感じます

しかし、実際には例えば

✓ 8年前には別のテーマが人気だった
✓ AI関連企業の成長は予想以上だった
✓ 途中で値下がりしても積立を続ける必要があった

といった難しさがあります

私自身も長期積立を続けていますが、
途中で評価額がマイナスになる時期は
何度も経験しました

だからこそ、
将来の大当たり銘柄を当て続けることの難しさ
を実感しています

日経平均はS&P500と大きな差がありませんでした

今回意外だったのは、日経平均とS&P500の差が
それほど大きくなかったことです

多くの人は
「米国株の方が圧倒的に強い」と考えがちですが、
長期で見ると日経平均も十分健闘しています

比較シミュレーション結果
AIファンド圧倒的に高い
S&P500非常に高い
日経平均S&P500と近い

つまり、直近1年で3位だった日経平均は、
長期積立ではS&P500とそん色ない結果
であったと言えます

基準価額より評価額の方が重要です

今回のシミュレーションで最も面白かったのは、
最終的な日経平均の基準価額はS&P500よりかなり
低いのに、評価額はほとんど追いついていたこと
です

2018年8月から2026年8月までの8年間に毎月積立投資を行った場合の基準価額の推移を比較したグラフで、AIファンド(青)が最後の1年で急上昇し、S&P500(オレンジ)は安定して右肩上がりに推移し、日経平均(緑)は長期間上昇が緩やかだった後に終盤に大きく上昇したことを示した図

基準価額の推移を見ると、
2026年時点ではS&P500(オレンジ)が約4.4万円、
日経平均(緑)が約3.2万円と大きな差があります

2018年8月から2026年8月までの8年間に毎月積立投資を行った場合の評価額推移を比較したグラフで、AIファンド(青)が最後の1年で急上昇し、S&P500(オレンジ)と日経平均(緑)は安定して右肩上がりに推移していることを示した図

しかし、
8年間毎月10万円を積み立てた評価額では、
その差は驚くほど小さくなりました

これはドルコスト平均法の真骨頂です

日経平均(緑)は長い期間、
S&P500(オレンジ)より低い価格帯で
推移していました

つまり、
毎月10万円で買える口数が多かったということです

その状態で積立を続け、
最後の1年くらいで大きく上昇すると、
それまで積み上げた大量の口数が
一気に評価額を押し上げます

つまり積立投資では、最後にどれだけ
上昇するかが評価額に大きく影響する
ということです

基準価額だけを見ると、
日経平均はS&P500に及びません

しかし、積立投資という条件では、
後半の上昇によって評価額はかなり近づきました

価格上昇が長期間緩やかだったのが
終盤に大きく上昇したので、
比較的安値で多く積み立てられてきた
口数が一気に評価額へ反映され、
資産を大きく押し上げたと考えられます

この結果を見ると、ドルコスト平均法は
単に価格を平均化するだけでなく、
長期間で口数を積み上げ、
後半の上昇を資産拡大につなげる投資法
であることがよく分かります

それでも私はS&P500を積み立て続けます

このシミュレーションを見ても、
私は今後もS&P500を積み立て続けます

理由はシンプルです

✓ 将来の大当たりファンドを当てる
  必要がない
✓ 世界を代表する米国企業に分散投資できる
✓ 長期で安定した成長が期待できる
✓ 1年間の年利第3位の日経平均と
 比較しても十分優秀

AIファンドは当たれば非常に強いです

しかし、その「当たり」を
事前に見抜くのは極めて難しいです

一方で、S&P500は過去の長期データでも
安定して高いリターンを残してきました

S&P500は、1年間の年利第3位の
日経平均と比較しても十分優秀なので、
長期積立の軸として有力な選択肢です

私自身、2024年開始の新NISA「成長投資枠」では
S&P500を中心に積立投資を継続していますが、
約2年の運用実績は好調です
関連記事:新NISA成長投資枠の運用実績公開|S&P500など3銘柄を2年積立した結果

オルカンや先進国株式との比較も気になる方は、
こちらの記事も参考になります
関連記事:オルカンとS&P500どっち?2018年から積み立て中の先進国株式と比較

まとめ

今回のシミュレーションで分かったことを
まとめます

✓ 直近1年で急上昇したAIファンドをもし、
 長期積立していれば資産は大きく増えた
✓ 資産拡大の最大要因は
 最後の1年間の急上昇だった
✓ そのファンドを8年前に選べた人は
  極少数派と推測
✓ 日経平均はS&P500と大きな差がなかった
✓ ドルコスト平均法は、価格が長く低迷した
 後に上昇すると、資産は大きく増えやすい
✓ S&P500は、1年間の年利第3位の
  日経平均と比較しても十分優秀なので、
 長期積立投資には十分有力

投資ではつい、
「今一番強いファンド」を追いかけたくなります

しかし、多くの人にとっては、S&P500のような
広く分散されたインデックスファンドに
淡々と積み立て続けることの方が
確度の高い資産形成につながると考えられます

※投資は自己責任と余剰資金でやりましょう

参考・出典:

金融庁「NISA特設ウェブサイト」
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/

三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」
eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) | eMAXIS(イーマクシス)

三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | eMAXIS(イーマクシス)

MINKABU 投信
つみたてNISA利回りランキング – みんかぶ投資信託

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